2月の中頃になると、各高校で学年末考査が始まります。
この業界にいると「定期テストの勉強は受験の役に立たない」という人をよく見かけます。
「定期テストの勉強をしても、受験で点が取れるようにはならない」とか、
「テスト前に丸暗記したような内容はすぐに忘れてしまう」など、そういった意見が多いです。
私はこれらの意見に部分的に同意します。
確かに、定期テストに向けて勉強をした内容というのはすぐに忘れてしまいがちですし、定期テストの内容が受験に有効に働かない場合も多々見受けられます。
一生懸命頑張って勉強したのに受験には役に立たないというのは、高校生にとって非常に辛い事態と言えるでしょう。
では、定期テスト期間中は1年生も2年生も受験生並みの勉強量をこなしているのにも関わらず、なぜそのような現象が起こってしまうのでしょうか。
今日は、テスト勉強が大学受験で役に立たなくなってしまう最も大きな理由について書きたいと思います。
よく一夜漬けの知識は後に残らないと言われます。
私はこの意見について反対します。
なぜなら、たった一回しか読んでない文章であってもいつまでも覚えていることはよくあることだからです。
一夜漬けであったとしても記憶に留めることは可能なのです。
したがって、知識が記憶から抜けてしまうのは一夜漬けだからという結論は正しくありません。
知識がすぐに記憶から抜けてしまうのは、目的の問題だと私は考えます。
人が一夜漬けをする目的は何でしょうか。
翌日のテストで点を取ることです。
では、その目的が達成されたならば知識はどうなるでしょうか。
当然ながら、必要性がなくなります。
人間の脳みそは不要な物は容赦なく廃棄します。
結果として、記憶に定着することはないのです。
反対に一度しか読んでいない文章であってもいつまでも記憶に残っているのは、脳みそがその情報を必要だと判断しているからです。
面白い話があります。
一夜漬けの知識はいつ記憶から消えるのかという話です。
2日か3日か、はたまた一週間くらいは持つのか、さすがに1か月は持たないだろうとか、様々な意見があると思いますが、
私がある方から聞いたのは、「テストの解答用紙に答えを書いた瞬間」でした。
私はこの話になるほどなぁと感心しました。
おそらく実際に解答用紙に答えを書いた次の瞬間に忘れているという事はないでしょう。
しかし、テストで点を取るという目的で記憶された情報は、答えを書いた瞬間にその目的を失い、以降再利用されることはなくなります。
そしていつの間にか本当に忘れてしまいます。
つまり、答えを書いてしまったら二度と思い出されることはないということです。
そう考えると答えを書いた瞬間から既に忘れている状態と変わりないと考えられるわけです。
長々と書きましたが、テスト勉強が大学受験の役に立たない理由はその目的がテストで点を取ることだからです。
では、その目的を変えれば、テスト勉強も大学受験において有効に働くことが予想されます。
テスト勉強をいかに大学受験に活かすか、様々な方法がありますが今日はここまでとします。
また機会があれば続きについても書ければと思います。